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2026.10.19

コラム

AIの答えは正しいのか?ゴルフシャフト選びで気づいた「AIに使われない」ための考え方

AIの答えは正しいのか?ゴルフシャフト選びで気づいた「AIに使われない」ための考え方

こんにちは。株式会社エージェントの今枝です。

私は仕事でも私生活でも、比較的新しいものを試してみる方だと思います。AIについても同じで、仕事では求人原稿、画像、分析、資料作成などに使い、プライベートではゴルフが大好きなので、ヘッドスピード、飛距離、スピン量などを見せて、ボールやシャフトについて意見を聞くことがあります。

AIは大量の情報を整理し、自分では思いつかなかった視点を提示してくれます。便利ですし、実際に助けられている場面も多くあります。だからこそ、知らないうちにAIの答えを「参考意見」ではなく「正解」として受け取ってしまう危険もあります。

最近、ゴルフのシャフト選びで、まさにそれを実感する出来事がありました。今回は少し仕事から離れた話に見えますが、AIと付き合ううえで非常に大切なことだと感じたので、コラムにしてみたいと思います。

■ 気になったシャフトを、まずAIへ相談してみた

私は藤倉コンポジットのSPEEDER NXシリーズが好きで、現在はSPEEDER NX VIOLETを使っています。そこへSPEEDER NX WHITEという、見た目も非常に好みのモデルが出たため、正直なところ一目惚れに近い状態でした。

普段、シャフトを購入する際に毎回きちんとフィッティングを受けるわけではありません。思いつきで買い、合わなければ売ってしまうこともあります。ただ、今回は一度冷静になり、自分のヘッドスピード、飛距離、スピン量などの数値を撮影し、Geminiに見せて相談してみました。

回答としては、現在使っているVIOLETも、新しく気になっているWHITEも、自分の数値に対して適性があるというものでした。そこで、ドライバーのシャフトを交換する方向で考えました。

さらに、もののついでにユーティリティのシャフトについても相談しました。それまでは同じ藤倉コンポジットのMCIという、どちらかといえばアイアン系の流れを持つシャフトを使っていました。GeminiからはSPEEDER NX HBのSフレックスを勧められました。

途中でChatGPTにも聞いてみたところ、少し異なる意見が返ってきました。迷いはしましたが、最終的にはGeminiの提案を採用し、購入することにしました。

■ 「ごめん、合っていなかった」と言われて気づいたこと

購入後、初めて振った際の数値を確認すると、自分でも感じていたとおり、飛距離は以前より落ちていました。そこで、そのデータを再びGeminiへ見せたところ、「ごめん、これは合っていなかったね」という趣旨の回答が返ってきました。

もちろん、AIに怒るような話ではありません。AIは、その時点で与えられた情報から可能性の高い答えを出しただけですし、実際に打ってみなければ分からない相性もあります。

ただ、その瞬間にふと思いました。ChatGPTの異なる意見も、もう少し丁寧に検討するべきだった。さらに言えば、こういうときこそフィッティングへ行き、実際に人の目で見てもらうべきだった。そして、AIや専門家の意見を聞いたうえで、最後は自分で判断するべきだった。

今になれば当たり前の話です。しかし、AIがあまりにも自然に、もっともらしい答えを返してくれるため、私は知らないうちに判断まで預けてしまっていました。

■ AIは間違えても修正できる。しかし、責任を取るのは人

AIは、結果が違えばすぐに別の提案を出せます。「その条件なら、こちらの方が良かったかもしれません」と軌道修正することもできます。

一方、実際に商品を購入するのも、費用を払うのも、その結果を受け入れるのも人です。仕事であれば、AIが作った提案書や分析をお客様へ説明し、結果に責任を持つのも私たちです。

求人原稿をAIに作らせたとしても、その内容が企業の実態と合っているか、求職者へ誤解を与えないか、採用したい人へ本当に響くかを判断するのは人です。データ分析で改善案が出たとしても、現場の事情、採用体制、過去の経験を踏まえて実行するかどうかを決めるのは人です。

AIは非常に優秀ですが、会社の事情や人間関係、これまで積み上げてきた経験のすべてを理解しているわけではありません。だからこそ、AIの答えは「最終結論」ではなく、「判断材料の一つ」として扱う必要があります。

■ AIを使っているのか、AIに使われているのか

AIを使えば使うほど、「こういうこともできるのではないか」と発想が広がります。3か月後には、今できないことができるようになっている可能性もあります。私はこれからも積極的に使い続けます。

ただし、自分で考えず、出てきた答えをそのまま採用する状態が続けば、判断する力は確実に弱くなります。1年間、何も考えずにAIへ丸投げしていたら、AIがないと何も決められない人になってしまうかもしれません。

私が今回の出来事から改めて意識したのは、次の順番です。まず、自分なりの仮説や違和感を持つ。次に、AIへ意見を聞く。必要であれば別のAIや経験者の意見とも比較する。そして最後は、自分の経験と責任で決める。

この一連の作業を飛ばしてしまうと、AIを使っているのではなく、AIに使われ、振り回されている状態になります。

AI活用というと、良い指示を出す「プロンプト」の技術が注目されがちです。もちろん、それも大切です。ただ、私はそれ以上に、出てきた答えを疑い、比較し、自分で決断する力が必要だと思っています。

■ AIは相棒。ただし、運転席に座るのは自分

AIは、私にとってすでに信頼できる相棒です。自分一人では見落としていたことに気づかせてくれますし、膨大な作業を短時間で進めてくれます。

しかし、相棒にハンドルまで渡してはいけません。どこへ向かうのかを決め、最後にアクセルやブレーキを踏むのは自分です。

ゴルフシャフトでは少し遠回りをしましたが、AIとの距離感を改めて考える良い経験になりました。仕事でも同じ失敗をしないよう、AIの意見を積極的に取り入れながら、最終的な判断だけは自分で行う。

AIが進化すればするほど、人に求められるのは知識量だけではなく、判断力と責任なのかもしれません。

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