2026.6.5
AI
AIで作った求人原稿は、なぜ応募が来ないのか? 〜「AI任せ」から脱却し、人を惹きつけるハイブリッド原稿を作る方法〜
株式会社エージェント パフォーマンス・マーケティング事業部の戸塚龍です。
採用担当のみなさん、毎日のお仕事お疲れ様です!
ChatGPTなどの生成AIが登場してから、求人原稿の作成方法は劇的に変わりました。これまでは、ゼロから文章を組み立てる苦労がありましたが、今では「募集要項を入力するだけで、数秒で立派な原稿が出来上がる」という魔法のような時代になりましたよね。
しかし、ここで一つの大きな悩みが生じています。
「AIを使って、爆速でたくさんの原稿を作れるようになった。でも……なぜか応募数が以前より減ってしまった気がする」
そんな風に感じている担当者の方、実は少なくありません。
今回は、AI活用における「見えない罠」と、それを突破してIndeedやバイトル、求人ボックスなどで「選ばれる原稿」を作るための、新しい考え方についてお話しします。
採用現場を襲う「AI任せ」の罠:求人の空洞化
AIを使って作成した原稿が、なぜ応募に繋がりにくくなってしまうのでしょうか?理由は大きく分けて2つあります。
一つ目は、情報の均質化(テンプレート化)です。
AIは膨大なデータの中から「もっとも正解に近い、平均的な回答」を出すのが得意なツールです。そのため、指示の出し方次第では、どこにでもあるような、驚くほど「無難で、特徴のない、つまらない原稿」が出来上がってしまいます。Indeedや求人ボックスなどの媒体で表示はされていても、他の企業の似たような原稿の中に埋もれてしまい、求職者の目に留まらないのです。
二つ目は、感情と熱量の欠如です。
採用の本質は「共感」です。求職者は、募集要項の条件だけでなく、「その会社で働く人の温度感」や「創業に込めた想い」「現場の苦労さえも魅力に変える熱量」を感じ取ろうとしています。AIが作る文章には、こうした「人間臭いエピソード」が圧倒的に足りません。スペック(条件)だけで構成された、どこか冷たい原稿では、人の心を動かすことは難しいのです。
解決策:AIを「執筆者」ではなく「編集アシスタント」にする
では、私たちはAIとどう向き合えばよいのでしょうか?
答えは、AIに「書かせる」のではなく、人間が主導する「ハイブリッド原稿術」を取り入れることです。
具体的なステップは、次の2つです。
1. プロンプト(指示)に「会社のDNA」を注入する
AIに単に「製造業の求人原稿を作って」と頼むのは、今日で終わりにしましょう。
代わりに、AIには「人間しか持っていない情報」をあえて入力してください。
例えば、「うちは創業以来、この技術だけは絶対に譲らないというこだわりがある」「若手が多いけれど、ベテランの職人が厳しくも温かく教えてくれる文化だ」といった、泥臭いエピソードや独自の価値観です。
この「会社のDNA」を材料として渡すことで、AIが生成する文章に、初めてその会社ならではの個性が宿ります。
2. AIは「下書き」、人間は「演出家」としての役割を果たす
AIには、情報の整理や構造化(箇条書きへの変換など)といった、作業的な部分を任せましょう。構成案を作らせたり、募集要項を読みやすく整えさせたりするのはAIの得意分野です。
しかし、最後に仕上げる「演出」は、必ず人間の役割として残してください。
「この言葉は、ターゲットの心に刺さるだろうか?」「もう少し、現場の活気が伝わる表現にできないだろうか?」と、人間が言葉の温度感を調整するのです。
まとめ:テクノロジーを「人の魅力」のために使う
AIは、私たちの仕事を奪うものではなく、私たちの能力を拡張してくれる強力な武器です。
「効率化」のためにAIを使うことは素晴らしいことですが、そこに「採用担当者としての想い」を乗せることができなければ、本当の意味での採用成功には繋がりません。
AIによるスピードと、人間ならではの熱量。
この二つを融合させた「ハイブリッドな原稿作成術」こそが、これからの激動の採用市場を勝ち抜くための、唯一無的な戦略なのです。
執筆者:株式会社エージェント パフォーマンス・マーケティング事業部 戸塚 龍
執筆者プロフィール
株式会社エージェント パフォーマンス・マーケティング事業部
シニア・リクルーティングストラテジスト 戸塚 龍
2004年、製造系人材会社にてキャリアをスタート。自社求人サイトの企画・運用を通じてデジタルマーケティング領域へ参入。2012年、Indeed普及の黎明期より運用を開始し、国内屈指の先行者として膨大なノウハウを蓄積。2017年・2018年には、Indeed Explore in 名古屋に連続登壇を果たした。
2021年に株式会社エージェントへ入社後、Indeedシルバーパートナー、そして2024年には上位ランクであるIndeedシルバープラスパートナーへの昇格に大きく貢献。
「AI × データ × 職人芸」を信条とし、Indeed・求人ボックス等の運用に加え、SEO(ビッグワードでの検索1模獲得実績あり)やGEO、生成AIを活用したクリエイティブ制作まで、最新技術と現場の泥臭い運用を融合させた戦略を得意とする。単なる広告枠の消化に留まらず、ROI(投資対効果)を最大化させる採用成功の戦略設計をクライアントと共に推進している。