2026.1.15
採用手法
工場派遣の「即辞め」は募集段階で防げる。定着率を劇的に変える“採用設計”の極意
株式会社エージェント パフォーマンス・マーケティング事業部で、
シニア・リクルーティングストラテジストの戸塚です。
「多額の広告費をかけてやっと応募が来たのに、1ヶ月で半分が辞めてしまった……」
これは、私が多くの工場派遣の採用担当者様から、最も頻繁に、そして切実にご相談いただく悩みです。
欠員を埋めるために急いで募集をかけ、現場は疲弊し、入社した人はすぐに去っていく。
この「採用の負のループ」は、現場だけの責任ではありません。
実は、「長く続く働く人」と「すぐ辞めてしまる人」の分かれ道は、
面接よりも前、つまり「募集前の一手(採用設計)」ですでに決まっているのです。
~工場派遣で「すぐ辞める人」が集まってしまう3つの構造的欠陥~
なぜ、ミスマッチは起きるのでしょうか。
17年間にわたりブルーカラー系の派遣現場(営業・請負所長・採用)を歩んできた私の経験から言えば、
その理由は「募集段階の甘さ」に集約されます。
仕事内容の「過度な抽象化」 「簡単作業」「未経験歓迎」という言葉は、
応募のハードルを下げる一方で、解像度を著しく下げます。
実際の作業が「単調な繰り返し」なのか「スピードを求められるライン」なのかが見えないため、
入社後に「想像と違う」という拒絶反応を招きます。
勤務条件の「意図的なぼかし」 夜勤の過酷さ、立ち仕事の疲労度、重量物の有無。
これらを弱く書くと、目先の応募数は稼げますが、「覚悟のない応募者」を大量生産してしまいます。
ネガティブ情報の「非開示」、「きつさ」を隠して入社させることは、時限爆弾を抱えるのと同じです。
隠せば隠すほど、入社後のギャップは大きくなり、離職までのスピードは早まります。
私はかつて、現場の責任者として「とにかく人を入れろ」という圧力の中で、
良いことばかりを伝えて無理に押し込む採用が行われるのを何度も見てきました。
その結果待っていたのは、数日で連絡が取れなくなるスタッフと、さらに疲弊する現場の姿でした。
この苦い経験こそが、私の「正直な採用設計」の原点です。
~離職率を下げる「募集要項のライティング」3つの鉄則~
求人広告は「数を集めるためのチラシ」ではありません。「自社に合う人をふるいにかけるフィルター」であるべきです。
① 勤務時間を「数字」ではなく「暮らし」で語る
「6:00〜15:00(実働8時間)」とだけ書くのではなく、その後の生活を具体化します。
「早朝スタートですが、15時過ぎには仕事が終わります。
夕方は趣味や家族との時間をたっぷり確保でき、買い物も空いている時間に済ませられます」
このように、「この時間帯で働くメリット」を翻訳して伝えることで、そのライフスタイルを求める層に深く刺さります。
② 「きつさ」を先出しして、応募者の覚悟を問う
残業の頻度や、立ち仕事の身体的負荷。
これらを正直に記載すると、一時的に応募数は減るかもしれません。
しかし、それで良いのです。
募集要項を読んで「それでもやりたい」と応募してきた人は、すでに最初の壁を乗り越えた「定着候補者」だからです。
③ 1日の流れを「体験型」で描写する
「部品の組立」という一言で済ませず、
「8:00 朝礼後、決められた手順書に沿って電動ドライバーでネジを締めていきます」
「10:00 15分間の小休憩。水分補給をしてリフレッシュ」 といった、
時系列での具体的な動きを描写します。
読者が「自分ならこう動くな」とシミュレーションできるレベルまで落とし込むことが、
ギャップをゼロに近づけます。
~AI活用で「見えない現場」を可視化する新時代の戦略~
かつて工場派遣の募集において、現場写真の掲載は「機密保持」の観点から非常に困難でした。
文字だけの募集では、職場の雰囲気は伝わりません。
しかし、現在はAI技術によってこの壁を突破できます。
実際の設備を写さずとも、AIで「作業環境のイメージ画像」や「業務紹介動画」を生成し、
面接前や募集段階で提示することが可能です。
通路の広さや清潔感のイメージ
作業姿勢(立ち・座り)の視覚化
「向いていない人」をあえて明文化したインフォグラフィックス
これらを駆使することで、求職者は「言葉」ではなく「映像」として理解を深め、
マッチング精度は飛躍的に向上します。
最新のテクノロジーと現場感覚を掛け合わせることこそ、現代の採用担当者に求められるスキルです。
~最後に:採用は「数」ではなく「設計」である~
工場派遣の定着は、入社後のフォローだけで決まるものではありません。
「仕事内容を具体化し、条件を正直に伝え、リアリティを先に見せる。」
この設計が整っていない状態で広告費を投入するのは、底の抜けたバケツに水を注ぐようなものです。
私は、22年間の人材業界でのキャリアと、15年間のインターネットビジネスの知見を活かし、
単なる「広告代理店」としてではなく、貴社の「採用設計のパートナー」として伴走します。
「応募は来るのに、定着しない」 もし、そんな課題をお持ちであれば、一度募集設計から見直してみませんか?
データと現場感覚、そしてAI技術を駆使した、「辞めないための採用戦略」を共に作り上げましょう。
コラムライター 戸塚 龍(Ryu Totsuka)
株式会社エージェント
パフォーマンス・マーケティング事業部
シニア・リクルーティングストラテジスト
【略歴】
2004年: 製造系人材会社にてキャリアを開始。自社求人サイトの企画・運用を通じ、デジタルマーケティング領域へ本格参入。
2012年: 国内普及初期よりIndeed運用を開始。アルゴリズムの黎明期から携わる「国内屈指の先行者」として膨大なノウハウを蓄積。
2017年: 「Indeed Explore in 名古屋」にゲストスピーカーとして登壇(2018年も連続登壇)。
2021年: 株式会社エージェントに入社。
2022年: Indeed「シルバーパートナー」昇格に貢献。
2024年: 10月の制度改編(カテゴリ新設)に伴い、上位ランクとなる「シルバープラスパートナー」へ昇格。
現在: 「AI×データ×職人芸」を信条とするシニア・リクルーティングストラテジスト。
Indeed・求人ボックス等の運用に加え、SEO(ビッグワード1位実績有)やGEO、生成AIによるクリエイティブ制作など、最新技術と泥臭い現場運用を融合。
単なる広告枠の消化ではなく、ROI(投資対効果)を最大化させる「採用成功の戦略設計」をクライアントと共に推進しています。