2024.11.26
Indeed
【Indeed】求人票の落とし穴!応募者を逃すNG表現集
株式会社エージェントWEB運用課、ディレクターの戸塚龍です。
求人票を作成する際、多くの企業が内容にこだわりを持ち、魅力的な仕事環境や給与条件を掲載します。しかし、表現方法や言い回しのちょっとした違いで、応募者を遠ざけてしまうこともあります。Indeedなどの求人サイトでは、多数の求人情報が一瞬で比較されるため、表現のミス一つが致命的となることも少なくありません。このコラムでは、応募者を逃すNG表現を深く掘り下げ、どのように効果的な求人票を作成すべきかについて具体的に解説します。
1. 曖昧な表現や具体性の欠如
1.1 「やりがいのある仕事」や「アットホームな職場」の危険性
求人票でよく見かける「やりがいのある仕事」や「アットホームな職場」という表現は、多くの企業で使われていますが、これらは非常に曖昧で具体性に欠けるフレーズです。応募者は「やりがい」と言われても、それがどのような形で提供されるのかを知りたがります。言い換えれば、これらの表現だけでは企業の特徴を十分に伝えることができず、他の求人と差別化することが難しいのです。
特に、「やりがいのある仕事」という言葉は、時には過剰な業務量やストレスが含まれていると誤解されることがあります。一方で「アットホームな職場」という表現は、小規模で保守的な組織環境を連想させる場合もあり、特に成長志向の強い求職者には逆効果となることがあります。
解決策:
このような抽象的な表現を避けるためには、具体的なエピソードや特徴を記載することが求められます。例えば、「やりがいのある仕事」を説明する際には、「自分のアイデアをプロジェクトに反映し、結果がダイレクトに事業の成果に繋がるポジションです」と具体的に記述することで、応募者がその職場での自分をイメージしやすくなります。
また、「アットホームな職場」というフレーズを使う場合は、例えば「少人数でのチーム作業が多く、全員が密にコミュニケーションを取ることができる環境です」といったように、具体的なコミュニケーションスタイルや職場の規模感を伝えることで、より明確なメッセージを届けることが可能です。
1.2 「未経験歓迎」は万能ではない
「未経験歓迎」というフレーズも多くの求人で使われますが、この表現も万能ではありません。確かに、経験のない求職者に対しては安心感を与えるかもしれませんが、逆に経験者やスキルを持った応募者にとっては、その企業が「成長機会が少ない」「専門性が活かせない」と感じさせてしまうリスクがあります。
特に専門職や技術職においては、「未経験歓迎」がマイナスに作用することが多く、応募者層のターゲットがぼやけてしまう原因にもなります。さらに、この表現が過剰に使われると、「どんな人でも採用される」という誤解を招き、企業のイメージを損なう可能性もあります。
解決策:
「未経験歓迎」を使用する場合は、応募者に安心感を与えるために、その後に具体的な教育体制やサポートシステムを明記することが重要です。例えば、「未経験でも安心!入社後3ヶ月間の研修プログラムで業務をしっかりサポート」といったように、成長の機会やフォローアップ体制を強調することで、応募者に魅力的に映る求人票を作成できます。また、経験者をターゲットにする場合は「経験を活かせるポジション」「スキルアップできる環境」などのフレーズを用いることで、専門的な人材を引きつけることができます。
2. ネガティブな印象を与える言い回し
2.1 「すぐに働ける方歓迎」のリスク
「すぐに働ける方歓迎」という表現は、急な人手不足を反映しているケースが多いですが、応募者にはネガティブな印象を与える可能性があります。求職者がこのフレーズを目にすると、「現場が混乱している」「急いでいる=ブラックな環境」という先入観を抱くことが少なくありません。特に、仕事を始めるタイミングを自分で調整したいと考えている求職者にとって、このフレーズは心理的なプレッシャーとなることが多いです。
解決策:
「すぐに働ける方歓迎」という表現の代わりに、もっと柔軟な印象を与える言葉を選びましょう。例えば、「勤務開始日は相談可能」「柔軟なスケジュール調整が可能」といった表現を用いることで、応募者に対して働くタイミングに余裕を持たせるメッセージを伝えることができます。また、どうしても早期に人材を確保したい場合は「早めにスタートできる方を優遇」とするなど、積極的なメッセージに変えると良いでしょう。
2.2 「体力に自信のある方」などの条件付きの表現
「体力に自信のある方」「若い方が活躍中」という条件付きの表現は、求職者層を限定してしまう恐れがあります。特に、体力や年齢を暗に示唆する表現は、企業が特定の層だけを対象にしているという印象を与え、それ以外の層の応募を躊躇させてしまうことがあります。また、年齢や体力に関連する条件を強調すると、差別的な印象を与えかねません。
解決策:
このような条件を提示するのではなく、具体的な業務内容を記載することで、求職者が自身のスキルや体力に適したポジションかどうかを判断できる情報を提供することが重要です。例えば「重量物の運搬作業があります」と具体的に説明することで、必要な体力を伝えつつも、他の求職者を排除しない表現になります。
3. 給与や待遇に関する不透明さ
3.1 「応相談」や「経験に応じて」の曖昧な表現
給与や待遇に関する表現は、求職者にとって非常に重要なポイントです。「応相談」や「経験に応じて」といった曖昧な表現は、応募者に不信感を与える要因になります。求職者は、具体的な給与額がわからないと、応募に踏み切れなかったり、実際の面接で不満を持つことがあります。
Indeedの調査でも、給与が具体的に明記されている求人は応募数が高いという結果が出ています。特に給与が不透明だと、応募者は企業に対して「待遇が悪いのではないか」と疑念を抱きやすくなります。
解決策:
給与や待遇については、可能な限り具体的に記載することが求められます。例えば、「月給25万円〜30万円」といった幅を示したり、「経験に応じて初年度年収〇〇円スタート」といった形で、応募者に安心感を与える情報を提供しましょう。また、基本給以外にもボーナスやインセンティブ、昇給制度についても具体的に記載すると、求職者にとって魅力的な要素となります。
3.2 手当や福利厚生の情報不足
福利厚生や手当に関する情報は、特にミレニアル世代やZ世代の求職者にとって重要な要素です。家族手当や住宅手当、交通費支給の有無などが明記されていないと、企業に対して「従業員への配慮が足りない」という印象を持たれる可能性があります。求職者は、給与以外の福利厚生を総合的に評価して応募を検討するため、これらの情報が欠けていると、応募者の関心を引きづらくなります。
解決策:
手当や福利厚生についても、具体的に記載することが重要です。例えば、「通勤手当全額支給」「資格取得支援制度あり」「家族手当:月2万円」といった具体的な内容を記載することで、応募者がその企業で働くことのメリットを直感的に理解できるようになります。また、社員食堂や健康診断、リモートワークの導入なども、応募者が関心を持つ項目として積極的にアピールすべきです。
4. 長すぎる求人票や過剰な情報提供
4.1 情報過多による応募者の混乱
求人票にあれもこれも盛り込みすぎると、求職者がどの情報が重要なのかを判断できず、混乱してしまうことがあります。特に、過度に長い文章や複雑な業務内容の説明は、求職者に「自分には難しいかもしれない」と感じさせ、応募をためらわせる原因になります。
求職者は、求人票を短時間で一読し、必要な情報をすぐに得たいと考えています。そのため、情報が多すぎると、肝心の魅力的なポイントが埋もれてしまい、結果的に応募数が減少するリスクがあります。
解決策:
求人票には必要な情報を簡潔に、かつ視覚的に整理して掲載することが大切です。箇条書きや見出しを活用し、重要な情報を強調することで、求職者がすぐに理解できるように工夫しましょう。また、特に強調したいポイントについては、目立つ場所に配置することで、求職者の目を引くことができます。長文になる場合は、情報を段落に分けて見やすくするなどの配慮も重要です。
5. 企業独自の用語や専門用語の使用
5.1 企業内用語や専門用語の混乱
企業内でしか通じない独自の用語や、業界特有の専門用語を多用することは、応募者にとって理解しづらく、混乱を招く原因となります。特に業界外の求職者や新卒の求職者にとって、こうした用語は馴染みがなく、応募のハードルが上がる可能性があります。また、企業独自の略語や内部的な表現も避けるべきです。
解決策:
求人票には、できるだけ一般的な言葉を使い、応募者にとってわかりやすい表現を心がけましょう。どうしても専門用語を使う必要がある場合は、その言葉の意味を簡単に説明するか、分かりやすい形に言い換えることで、応募者に対するハードルを下げることができます。
【結論】
求人票における表現や言い回しは、応募者を引きつける大きな要素であり、逆に不適切な表現は応募者を遠ざける原因にもなります。Indeedなどの求人サイトで多くの応募者を集めるためには、曖昧な表現やネガティブな言い回しを避け、具体的で魅力的な求人票を作成することが必要です。企業が伝えたいメッセージを正確かつ効果的に表現し、応募者の視点に立って内容を見直すことで、求人の成功率を高めることができます。
採用活動は、企業の未来を形作る最も重要な取り組みの一つです。適切な人材を確保することが、組織の成長と成功を支える原動力となります。しかし、競争が激しい現在の求人市場において、ただ求人票を掲載するだけでは応募者を集めることが難しい状況です。Indeedなどの求人サイトで成功を収めるためには、求人票の細部にまで気を配り、応募者の視点に立った表現や構成が求められます。
日々作成される求人票は、単なる情報提供のツールではなく、企業の顔であり、求職者との最初の接点です。そのため、求人票の中でどれだけ魅力を伝え、応募者に共感してもらえるかが、成功のカギを握っています。今回の記事で取り上げたNG表現を避け、具体的で分かりやすいメッセージを届けることで、応募者との接点を最大限に活用し、より多くの優秀な人材を引きつけることができるでしょう。
採用活動は一朝一夕ではありませんが、皆さんの努力が確実に企業の成長に繋がっていきます。困難な状況が続く中でも、求人票の改善や最適化を通じて、自信を持って理想の人材を迎える準備を整えてください。皆さんの取り組みが、次世代の企業を支える大きな力となることを信じています。
これからも、皆さんの採用活動が素晴らしい成果をもたらすことを心から応援しています!
コラムライター
戸塚 龍(Ryu Totsuka)
WEB・運用ディレクター
2004年に製造系派遣会社に入社しキャリアをスタート。
その後、2010年から製造系求人サイトの企画・運用に携わり、
デジタルマーケティング業務に本格的に取り組みました。
調査、分析、企画、運用、検証を通じて、
特に集客広告やデータ解析、制作分野で幅広い経験を積んできました。
2012年からはIndeedの運用を開始し、
2015年には求人ボックスの運用も加わりました。
2016年にはドライバー系求人サイトのディレクションとプロモーションに関与。
2017年と2018年には、Indeed Explore in 名古屋にてゲストスピーカーとして登壇しました。
2021年に株式会社エージェントに入社し、2022年にはシルバーパートナーに昇格。
デジタルマーケティングと求人サイト運用での知見を活かし、お客様の成功を全力でサポートいたします。